vol.5 不動産査定③ 路線価
2021年04月19日
【プロはどうやって不動産の価格を算出している?】③
不動産には様々な種類の価格が存在しています。
「路線価」や「公示価格」などは皆様もニュースで聞いたことがあるのではないでしょうか。
不動産の売却を検討されるにあたり、ご自身の不動産に関係する価格はどのような意味がありどの程度なのか…
こうした事は知っておいて損はありません。
ここでは公的価格を中心に、広く公表されている不動産価格について解説していきます。
1.路線価
相続税や贈与税の課税基準となる土地の価格。
毎年1月1日を評価基準として国税庁が8月に公表する。
公示地価の約8割程度の水準が基本。
2.固定資産税評価額
固定資産税などの税金を計算する基準となる価格。
市町村では土地や家屋について「固定資産課税台帳」に価格を登録しており、3年ごとに評価替えを行う。
不動産所有者にとっては一番目にする機会の多い公的価格。
売買取引時の登録免許税や不動産取得税などの算出根拠ともなる。
土地は公示価格の約7割程度、建物は建築費の約5~7割程度が目安と言われている。
3.公示価格
国土交通省が公示する標準地の価格。
毎年1月1日時点の地価を不動産鑑定士が評価し3月下旬に公表する。
周辺の土地取引の指標とし、公共用地取得価格の基準となる。
「公的機関としてはこのぐらいが適正だと思います」という意味合いをもつ価格であるため、前述の「路線価」や「固定資産税評価額」価格算出時の根拠にも採用される。
あくまで目安でしかないが、公示価格の1~2割増しが実勢価格になる事が多いと言われている。
1年ごとの地価変動の度合いを把握するのにとても有用な指標。
4.基準地価
都道府県が7月1日時点の基準地の価格を9月下旬に公表。
調査方法や目的は公示価格と基本的には同じだが、主体が都道府県であることと、算出する地点が異なるため、公示価格の補助的な役割を担っている。
また、標準地と基準地が重複する地点は、1月と7月の年2回価格が公表されるので、半年ごとの地価変動を観測することができる。
5.実勢価格
過去の成約事例や現在売出中の販売事例によって作られる価格。
一般的に「相場」と呼ばれる価格はこれを指している。
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公的に扱われる不動産価格としてよく挙がるものはこの5つとなります。
実際の売却価格を決めるにあたっては、これらの価格も参考にしながら売出中の事例が
「どの程度の期間成約できていないのか」や、次項で解説する査定価格等を加味しながら検討することとなります。
それぞれの価格の役割・金額の違いをおおまかに把握しておきましょう